こんにちは。今回の記事では『浪人生の勉強時間』について詳しく話していきたいと思います。大学受験において、そして浪人生にとっては勉強時間は非常に重要なテーマです。もちろん、浪人生と一口に言っても志望校や現役時の学力によります。例えば東大志望で現役で一次試験は突破したが、二次試験で落ちてしまったような方や難関国立や早慶上智のような私立の最難関大学を志望しており、GMARCHレベルの合格は現役で掴めているが、それでも敢えて浪人しようとしているような受験生は例外です。

ですが、それ以外の一般的な浪人生で準難関国公立志望で現役で合格が掴めなかった受験生や私立志望で併願で受けたであろう日東駒専以下に不合格になった受験生は基本的に圧倒的に基礎力が足りていない、つまり圧倒的に勉強時間が足りていないのは間違いありませんので、今回のテーマである『浪人生の勉強時間』が非常に重要になってきます。では何故、上記のような浪人生にとって『勉強時間』が足りていないと断言できるのか、順を追ってみていきましょう。

大学受験における勉強時間の重要性

そもそもなぜ中学受験や高校受験と違って大学受験において「勉強時間」が重要なのか考えていきましょう。これは結論から言うと大学受験の問題の”性質”にあります。どういうことかと言うと中学受験や高校受験と違って大学受験の入試問題では膨大な知識量が必要になるからです。具体的には中学受験や高校受験以上に高校3年間の知識の積み重ねが必要になってくるので、一朝一夕や短期間での詰め込みで乗り切れる量ではないということです。このため大学受験において「勉強時間」が非常に重要な要素となっています。

では実際にどの程度の勉強時間が必要なのでしょうか。上述した日東駒専以下に不合格して、全落ちで浪人する受験生に対して、勉強時間が足りていないと言っている根拠にもあたりますが、ある統計では一般的に大学受験の勉強時間の1日当たりの目安の平均勉強時間は8時間程度と言われています。これは実は日東駒専の合格者の平均勉強時間の1日あたり平均7時間と合致します。つまり、現役で日東駒専に不合格になった受験生は、そもそもこの勉強時間が足りていないと言えるということです。

もちろん勉強時間は個人差がありますし、目指す大学によって異なってきます。ただ年間で1日あたり平均8時間と聞くと、明らかに中学受験や高校受験の「勉強時間」とは違いますよね。では具体的に目指す大学群によってどの程度の違いがあるのか、大学群ごとに見ていきましょう。

大学群ごとの勉強時間

冒頭の例えで日東駒専を例に出しましたので、比較対象として私立の大学でよく一般的にカテゴライズされる各大学群ごとで比較していきます。最初は早慶上智(早稲田・慶應・上智)です。早慶上智の中で早稲田大学を例にとると、早稲田大学に合格するための年間の勉強時間は3500時間程度とされています。当然スタート時点での学力にもよりますし、ただひたすら勉強時間だけかければいいというものではありませんが、4月~本番までの約10か月間、毎日平均12時間程度は受験勉強に費やしているということになります。

次にGMARCH(学習院・明治・青山学院・立教・中央・法政)の一角である明治大学の場合は、年間の勉強時間は2550時間程度とされています。早稲田大学と同じように当然スタート時点での学力にもよりますし、無意味に時間だけかければいいというものではありませんが、4月~本番までの約10か月間、毎日平均8時間半程度は受験勉強に費やしているということになります。

GMARCHの次と言われる成成明学獨國武(成蹊・成城・明治学院・獨協・國學院・武蔵)の中で例えば國學院大學の場合は、年間の勉強時間は約2300時間程度とされています。4月~本番までの約10か月間、毎日平均7時間半程度は受験勉強に費やしているということになります。そして、その次のいわゆる日東駒専(日大・東洋・駒澤・専修)の日本大学だと年間の勉強時間は約2100時間程度されており、4月~本番までの約10か月間、毎日平均7時間程度は受験勉強に費やしているということになります。

国公立で考えても準難関国公立に位置づけられる、筑波大学、千葉大学、横浜国立大学などもGMARCHと同じ勉強時間である年間の勉強時間は2550時間程度とされています。4月~本番までの約10か月間、毎日平均8時間半程度は受験勉強に費やしているということになります。

つまり国立志望でも私立志望でも東大の一次試験に合格して二次で落ちた、もしくは併願校のGMARCHレベルは合格できたが、難関国公立や早慶上智のような最難関私立志望で、あえて浪人するという一部の浪人生を除けば、シンプルに『勉強時間が足りていないので落ちた』ということになります。

もちろん勉強時間だけでなく、他にも理由がある場合はありますが、あくまで客観的な数字データですので、最低限の勉強時間が確保されない限り、浪人しても成績が上がらないし、志望校に合格しないということはご理解いただけたと思います。せっかくなので、勉強時間が必要な理由を客観的な数字データ以外にもう1つの側面でお話をしておきましょう。

基礎力が足りていないという事実

もう1つの要素とは『基礎力が足りていない』という事実です。これはどういうことかというと、先ほど例に取った日東駒専ですが、日東駒専の合格最低点は大学学部によって多少前後がありますが、5,5-6.5割程度の大学がほとんどです。少なくとも7割得点出来ていれば、高確率で合格が勝ち取れます。その上で出題される問題のレベルと問題構成が重要です。

こちらも合格最低点と同じで、大学学部で多少の違いや特色はありますが、基本的に日東駒専のほとんどの大学は8-9割前後が基本問題で構成されています。基本問題とは高校の教科書レベル(国定の教科書レベル)を指します。難問は1割あるかないか程度です。つまり、基本的に公立高校の国が定める教育指導要領の教科書レベルも問題で8-9割が構成されており、その合格最低点が5,5-6.5割程度の大学がほとんどなので、この事実で考えれば現役時に日東駒専以下に不合格ということは圧倒的に基礎力が足りていない、つまり一般的な高校の教科書レベルの知識のインプットが足りていないということです。こちらの事実から考えても先述した『勉強時間が不足している』というのもうなずけるかと思います。

まとめ

今回『浪人生の勉強時間』というテーマで客観的な数字データや各大学の出題形式、問題構成などの事実を照らし合わせてお話してきました。まとめると、浪人するにせよ現役時に準難関国公立や日東駒専の合格が勝ち取れていない以上、圧倒的に勉強時間が足りていませんし、基礎力も足りていないのは事実です。ということは浪人するにあたって、勉強時間を最大化し、基礎力を徹底的に固めるというのが、浪人するにあたって重要な前提になってきます。是非ご自身の勉強時間を最大化でき、基礎力を固めることができる最適な環境で志望校合格を目指し、頑張ってください!