お子さんの中学受験を独学で挑むべきか、それとも塾に通わせるべきか、悩んでいる親御さんもいるでしょう。

独学は費用を抑えられる一方で、「本当に合格できるのだろうか」と不安になることもあります。

そこで本記事では、中学受験は独学で成功できるのかを具体的に解説します。

中学受験は独学で成功できるのか

そもそも中学受験は独学で成功できるのか気になる親御さんは多いでしょう。

2022年の調査とはなりますが、ひまわり研究所が取り組んだアンケート調査によると、偏差値60以上の中学校に通う生徒150人中、31人が独学という結果でした。

この調査結果を踏まえると、中学受験は独学でも十分成功させることが可能です。

独学でもお子さん次第では合格できるため、親としては勉強に取り組みやすい環境づくりが大切と言えるでしょう。

中学受験の対策を独学で行うメリット

中学受験の対策を独学で行うメリットは、主に以下の通りです。

  • 自分のペースで勉強できる
  • 通塾時間を考えなくていい

詳しく解説します。

自分のペースで勉強できる

まずは、自分のペースで勉強できることが大きなメリットです。

塾や予備校では、授業のスケジュールやカリキュラムが全体に合わせて設定されるため、進度についていけないと感じる場合や、逆に物足りなさを感じる場合があります。

それに対して、独学では得意な分野を短時間で終わらせ、苦手な科目にじっくり時間をかけるといった柔軟な計画が可能です。

さらに、独学では学習環境を自由に整えることができるため、お子さんが最もリラックスできる状態で勉強に取り組めるでしょう。

通塾時間を考えなくていい

塾に通う場合、往復の移動時間が少なからず発生し、特に自宅から塾までの距離が遠い場合には1日で数時間が通塾に費やされることもあります。

この時間は単純に勉強時間が減るだけでなく、移動そのものが体力や集中力を奪う要因にもなります。

一方で、独学ではこうした時間的ロスが一切なく、自宅での学習に専念することが可能です。

さらに、通塾時間がないことによって、子どもの生活リズムが安定しやすくなるという利点もあります。

塾にうと、授業の終了時間が遅くなり、帰宅後の就寝時間がずれ込むケースが多々ありますが、自宅で勉強すればそのような心配もありません。

中学受験の対策を独学で行うデメリット

反対に、中学受験の対策を独学で行うデメリットは、主に以下の通りです。

  • 教えられる大人が周りにいない
  • 競う相手がいない
  • 学習計画の策定が難しい
  • 親の負担が大きくなる

詳しく解説します。

教えられる大人が周りにいない​​

中学受験の対策を独学で行う場合、教えられる大人が周囲にいないことはデメリットです。

中学受験では、応用問題も多く出題し、高度な知識が必要となるケースがあります。

特に算数では、文章題や図形問題で解き方が難しい問題も多数あり、独学で正しく解し、解答に結びつけるのはハードルが上がります。

さらに、疑問点をすぐに解決できないことは、子どもの学習意欲や効率に直接的な影響を与える可能性もあるでしょう。

問題が理解できない状態が続くと、学習そのものへの興味を失ってしまうこともあります。

一方で、塾や家庭教師がいる環境であれば、子どもの質問に迅速かつ適切に答えることで、理解を深めたり勉強へのモチベーションを保ったりできるでしょう。

競う相手がいない

受験勉強において、同じ目標を持つ仲間やライバルがいる環境は、学習意欲を高めるだけでなく、自分の実力を客観的に把握する機会にもなります。

独学ではこれらの競争環境が存在しないため、自分のペースで勉強を進められる一方で、競争の中で得られるメリットを享受できない可能性があるでしょう。

競い合う相手がいないことの主な問題点は、学習意欲の維持が難しくなることです。

人は他者との比較や刺激によって、より高い目標に向かって努力を続けることが多いですが、独学ではそのような刺激が得られないため、学習が単調になりがちです。

特に受験勉強は長期間にわたるものであるため、競争環境がないことでモチベーションを保つのが難しくなる場合があります。

学習計画の策定が難しい

受験勉強では、限られた時間の中で膨大な学習内容を効率的に進める必要があり、具体的かつ現実的な学習計画を立てることが大切です。

しかし、独学ではこの計画の作成が難しく、特に受験経験がない親御さんやサポート体制が整っていない環境では、この点が大きな課題となります

特に中学受験において必要とされる学習範囲は広範囲であり、学校で学ぶ内容を超える高度な知識が求められることも少なくありません。

そのため、どの科目をどの順序で進めるべきか、どれだけの時間を割くべきかといった具体的な計画を立てるには、中学受験対策に強いメンター的な存在が必要となるでしょう。

親の負担が大きくなる

中学受験の対策を独学で行う場合、親の負担が大きくなる点もデメリットとして挙げられます。

特に子どもが自発的に学習を進めることが難しい場合、親がその学習を全面的にサポートする必要が生じます。

先ほどもお伝えしたとおり、中学受験に必要な学習内容は小学校で教えられる範囲を超えることが多いです。

独学となれば、親が子どもの学習内容を理解し、たまに教えることもしなければなりません。

また、学習計画の策定や進捗管理も親が担うケースが多いため、日々のスケジュール調整や子どもの理解度チェックも負担になりやすいでしょう。

中学受験を独学で攻略するための準備

中学受験を独学で攻略するために最初に取り組むべきなのは、目標設定です。中学受験を受ける学校の選定や難易度を把握することが重要です。

具体的には、入試情報サイトや各学校の公式ホームページで過去問や出題傾向を調査します。

例えば、日本最大級の受験情報サイト「中学受験.com」や各学校のWEBサイトなどが参考になります。

次に独学のための学習環境整備です。「独学での中学受験が成功するかどうかの鍵は、自分だけの静かな学習環境を確保すること」です。

自室や図書館など、特定の学習スペースを確保し、必要な教科書や問題集を整えましょう。

中学受験対策を独学で行う際の学習スケジュールと時間管理のコツ

中学受験対策を独学で行う際、学習スケジュールと時間管理が重要となりますが、主なコツは以下の通りです。

  • 目標設定
  • 一貫した学習スケジュールの策定
  • 自己反省と修正
  • 休息を取る

詳しく解説します。

目標設定

まず、中学受験における独学の成功には、明確な目標設定が必要です。

その目標を開始から終了までの期間に分解し、週ごと・日ごとに何をし、どれくらいの学習時間を確保するかを明確にしましょう。

例えば、英語なら単語数や文法事項数、数学なら計算問題数等です。関東学院六浦中等教育学校の合格レベルなら、英単語は毎日20語覚える等の明確な目標が必要です。

一貫した学習スケジュール

最も重要なのはスケジュールを一貫して守り、定着させること。具体的な学習時間を決め、それを維持しましょう。

例えば、平日は放課後2時間、休日は5時間の学習時間を確保するというルールを設け、それを維持します。
ここで大切なのは、計画通り学習が進まなかった時でも焦らず、一日一日の学習をコツコツと積み重ねていくことです。

自己反省と修正

定期的に自分の学習状況を反省し、必要に応じて学習計画を見直すのも重要です。例えば、週末に1週間の学習内容を振り返り、計画に誤りや改善点があればそれを修正しましょう。

そして次の週からその修正案を取り入れることで効率的な学習時間の確保に繋がります。

休息を取る

過度な学習は効率を落とします。たとえば、週に1日は完全休息を取るなどして、リフレッシュする時間を確保しましょう。

これにより長期間の中学受験の独学を進めていく上で、労われていない心身にストレスが溜まるのを防ぐことができます。時間管理のコツは、学習だけでなく休息の時間もしっかりと取ることです。

中学受験対策の独学における教材選びの方法

中学受験独学の大きな成功要因となるのは、適切な教材選びとその利用方法です。主な選定ポイントは、以下の通りです。

  • 内容の質
  • 分かりやすさ
  • 自分の学力レベルに合致したもの

詳しく解説します。

内容の質

公立中学校の学習指導要領に準拠し、中学受験に必要不可欠な知識が網羅されているかを確認しましょう。

教科書や市販の参考書などは、日本国内の学習指導要領に準じたものが多いので選びやすいと言えます。

分かりやすさ

子供自身が読んで理解できるかどうかが大切です。特に中学受験では、基礎をしっかり固めたうえで応用力を養う学習が求められます。

そのため、単なる公式や答えを提示するだけでなく、なぜその解法が成り立つのか、背景や考え方が詳しく説明されている教材を選ぶべきです。

例えば、「チャレンジ中学準備講座」などは独習者を意識した解説が付いているため、独学に向いています。

自分の学力レベルに合致したもの

教材が子どもの現状の理解度や能力に適していない場合、学習の進行が妨げられ、学習意欲を失うリスクが高まります。

そのため、現状の学力を正確に把握し、それに見合った教材を選定することが重要です。

まず、自分の学力レベルを把握するためには、現在通っている学校の学習内容や過去のテスト結果を基準にすることが役立ちます。

例えば、学校で学んだ内容をしっかり理解している場合は、少し難易度の高い教材を選んで挑戦することが望ましいです。

中学受験独学攻略のまとめ

中学受験を独学でする場合、塾に通う費用を抑えられたり自分のペースで勉強できたりなどメリットも複数あります。

ただし、スケジュールの管理が難しく、モチベーションを保ちづらい側面もあるでしょう。

親の負担もかかるため、もし効率よく学習を進めさせたいのであれば、通塾も検討するのがおすすめです。

当サイトでは、中学受験に強い塾も多数掲載しておりますので、気になる塾があれば、ぜひ連絡してみてください。